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なぜ「山うに」は河和田地区で生まれたのか?

河和田の気候・風土

 福井県の鯖江市から車で15分ほどのところに河和田地区はあります。人口4400人ほどのこの地区は、三方を山に囲まれているため、独自の気候・風土が生まれました。越前漆器の職人の地区として有名で1500年程の歴史があります。その職人の歴史は現代にも受け継がれていて、世界的に有名な鯖江市の眼鏡作りの中で、河和田地区は眼鏡のフレーム作りで国内シェア9割を誇っています。

 河和田地区は四季折々で美しい景色を見せてくれます。中央に走る河和田川にはオシドリが訪れますし、夏には蛍の群生も見られます。しかし、自然は時として厳しいものです。冬は雪深くなります。外界と遮断され保存食も必要です。昔から保存が効く健康効果の高い食べ物を必要としてきた地区なのです。

「山うに」の健康効果

 この河和田地区で「山うに」は生まれました。「山うに」と言っても海のうにではありません。見た目が「海のうに」とそっくりなことから「山うに」の名前が着きました。「山うに」は柚子と赤万願寺唐辛子、鷹の爪と塩を擦り潰して作られた調味料です。各家庭によってレシピがあり、1時間近くも擦り潰すご家庭もあるようです。この「山うに」は日本の中でもこの河和田地区でのみ食べられてきました。「山うに」には沢山の健康効果がある事がこの地区では知られています。温熱効果からくる疲労回復、風邪予防、また視力維持などの効果もあると考えられています。では、この健康効果は「山うに」の何がもたらすのでしょうか。それは「柚子」です。

「柚子」をうまく利用した河和田地区

 柚子は中国の揚子江上流が原産とされていて、日本では奈良・平安時代にはすでに植えられていたそうです。耐寒性、耐乾、耐湿性に優れています。果肉よりも果皮の方が栄養価は高く、ビタミンCの含有量は柑橘類の中でもトップクラスです。ビタミンB1、ビタミンB2、鉄分、カリウム、カルシウムが含まれています。ご存知の通り、冬至の柚子湯は温熱効果から冷え性やリュウマチに効果があります。皮のヌルヌル部分はペクチン質と言うのですが、血糖上昇、コレステロールのコントロールを行います。しかもペクチン質とビタミンCとの相乗効果で血行を促進します。柚子の健康効果は計り知れません。昔からそこに気付いていたのが河和田地区の人々なのです。河和田地区では雪深い冬に体を温めるために柚子が必要でしょうし、三方を山に囲まれた地区での食事は様々なビタミンの補給は難しいでしょうから、ビタミン豊富な柚子は貴重です。その柚子をいかにうまく保存し、柚子の栄養を余すところなく摂取するか考えられた調味料が「山うに」だったのではないでしょうか。

 古くから薬用として使用されてきた「柚子」の健康効果を「山うに」という形で代々受け継いできた河和田地区の人々。この素晴らしい「山うに」という食文化を全国に広げていきたいものです。